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報道ステーション アイスホッケー女子日本代表~16年ぶりの五輪へ"心の改革"

今回は、アイスホッケー女子日本代表のみなさんを取材させていただきました。

ソチオリンピックには、8チームが出場する予定ですが、その中で日本の順位は一番下。

ただ、実力的に別格と言われている1位のアメリカ、2位のカナダを除いて、

3位以降は、日本を含め、どこが勝ってもおかしくないほど実力が僅差なんです。

 

アイスホッケーは、20分×3ピリオド制で、1チーム6人で戦います。

選手交代の回数に制限はなく、目まぐるしくメンバーが入れ替わります。

というのも、選手が身につける防具はおよそ10キロもあるため、

全力で動けるのは1分程度と言われるほど過酷な競技です。

 

練習を拝見すると、早いスピードで滑る中、選手同士が身体ごとぶつかり合い、

スティックを使ってパックを奪い合うという激しさに恐怖心すら感じるのですが、

当の選手たちは・・・みんな笑顔で何だか楽しそう。

笑顔が印象的な彼女たちの愛称は「スマイルジャパン」。

ところが、このチームが歩んできた道のりは、笑顔とはかけ離れたものでした。

ソルトレーク五輪では最終予選の最終戦で敗退、トリノ五輪でも最終予選最終戦で敗退、

そして、バンクーバー五輪も最終予選最終戦で敗退。 

実に、3度も最終戦の壁に阻まれてきたのです。

 

前回の予選からチームを率いる飯塚祐司監督は、今まで女子アイスホッケーが、

いつもあと一歩のところで切符を手にできなかったのは、「メンタル、気持ちの差」だと思っていたそうです。

そこで、日本が悲願のオリンピックにたどりつくために行ったのが「心の改革」。

メンタルコーチとしてチームに招聘された山家正尚さんがまず指摘したのは、

まさかの「コミュニケーション不足」でした。

コミュニケーション向上のため、メンタルのプロの山家コーチはコミュニケーションを取る場所を強制的に作り、

まずは全員の壁をなくそうということで、全員が1対1に並んで、

お互いの良いところや感謝できることを30秒ずつ全員に言い合うということをしたんだとか。

このことによって、「この人は自分のことをこう思ってくれているんだ」という風に感じるようになって、

そこから一気にチームの雰囲気が変わったそうです。 

さらに行ったのは強化合宿の回数を増やすこと。

2ヵ月に1回だった強化合宿を毎月開催し、元々アルバイトなどをしながら競技を続け、

合宿費を自己負担してきた選手達にとって負担倍増でしたが、

コミュニケーションをより高めるための貴重な場となったのです。

そして、更なる改革としてホッケー王国カナダから招聘したのがカーラ・マクラウドコーチ。

トリノ五輪とバンクーバー五輪、オリンピック2大会連続で金メダルを獲得した大物です。

世界最高峰の技術の注入はもちろんでしたが、カーラコーチが技術以上に伝えたかったのは、

「スマイル」の大切さ。

「笑顔でプレーすれば良い試合ができる」ということ。

後にチームの愛称となったこの言葉を何度も繰り返し口にしてきました。

こうして行われた様々な「心の改革」のおかげで、選手たちの心は、

次第に前向きなものへと変わっていったのです。

 

そして、ついに、去年2月に迎えたソチ五輪の最終予選では、

日本、ノルウェー、スロバキア、デンマークの4チーム総当たり戦。

オリンピックに出場できるのは、1チームだけです。

初戦のノルウェー戦は、奇跡的な逆転勝利を収めましたが、第2戦のスロバキア戦は1点に泣き敗戦。

これで1勝1敗です。

そして、日本は、過去何度も跳ね返されてきた最終戦を迎え、デンマークと対戦。

ただ、そこには、今までとは違った選手たちの表情がありました。

それは、何度も繰り返し心がけてきた「スマイル」。

「勝てる自信はあった」「負けたら・・・なんて誰も考えてなかった」という選手の力強い言葉が印象的でした。

日本は、「スマイル」に負けないくらいの怒涛のゴールラッシュを見せ、終わってみると、結果は5-0と圧勝!

スマイルジャパンは、ついに最終戦の壁を乗り越え、悲願のオリンピック出場を決めたのです。

 

スポーツにおいては、不安があったり、消極的なときに、あえて笑顔を作るということがあります。

スマイルジャパンも、最初は強制的にあえて笑顔を作っていきましたが、

コミュニケーション力が上がっていくにつれて、自分をさらけ出し、

強制的ではない自分からの笑顔を手にしたことによって、最終戦の壁を打ち破れたんだと思いますね。

しんどいときでも、苦しいときでも、常に「スマイル」を心がけて!

スマイルジャパンは、16年前に長野五輪でつかめなかった初勝利、そしてメダルを目指します!