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トンネル抜け出し 圭ベスト8!

全仏オープンテニス、錦織圭選手がベスト8に勝ち上がった!

 

錦織圭 0-6,6-4,6-4,0-6 フェルナンド・ベルダスコ(ESP)

今、試合が終わったばかり、解説終わってホヤホヤの中、殴り書き、嬉し書きをさせていただく。

 

この試合、昨日のコラムで「Keiトンネル」を抜け出すチャンスだと伝えたが、1セット、迷いの

トンネルの中、圭は最初から立ち止まってしまった状況だった。

 

第1セット 0-6

リズムが合わない、足も痛い、体が動かない。

ショットはコートの真ん中に入り威力もない、何をやっても悪い方向に動いてしまった。

正直、1セット目を見ていた人は思っただろう。

「このまま棄権するのでは…」

僕も解説しながら思わず口に出てしまった「錦織選手が勝つ突破口が見えない…」

 

決して諦めたわけではないが、ベルダスコのプレイも冴えていくなか、圭のコート上でみせる表現

がネガティブだった。そして、僕の脳裏によぎったこと。

「もしもこのまま負けてしまったら、トンネルを抜け出すことが出来なかったら、ランキングはと

ことん落ちていく。この夏までに20位近く下がってしまう可能性もあるな」と覚悟していた。

それだけテニスではなく、圭のメンタルが迷っていたのだ。

これほど悪いテニスは僕は見たことがない。

1セットはまさにいいところが1つもなしの『0(ゼロ)圭』だった。

 

セカンドセット、どうにか持ちこたえていたのは、圭の弱点といわれていたサービスだ。

ストロークでポイントを奪えない中、サービスが圭を救った。圭が動いた!動きまくった!

その動き方は…

 

初心に戻った!

 

ミスを少なくし、そして深いボールを打つ!ただ、その判断はタフだったはず。

なぜなら、痛い足をより動かさなければいけないし、ポイントも長くなる。圭が

一番したくない選択だったはずだ。でも圭は自分自身と戦った。

ポイントをとっても、うずくまる仕草、まるで、敗者のようなそぶり。

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それでも戦い続けた。心も体も動きまくった泥臭いテニス。圭らしいテニスではない。

それでも圭はもがき続けた。このゲーム奪われたら、ポイントを落としたら、試合が終わる…

そんな時間がセカンドセットはたくさんやってきた。解説していて、胸が苦しくなった。

トンネルの中で動きまくる圭を見ていて、「どこにそんなタフさがあるんだ!」と。

すると圭のポジションが変わってきた。

ベースラインの後ろで走り続けた圭が、本来のポジション、ベースライン上に立ち、打てば

ラインぎりぎりで、体の力みが1つもない。

 

第3セット

明るい光が!トンネルの出口が!見えてきたようだった。

 

目の前の圭は数時間前にみた錦織圭ではなかった。圭が打つボールは自動的にコートに入って

いくように見えた。…ん?こんな大事な時に、なぜか僕の脳裏には宇多田ヒカルさんの歌が

浮かんでいた。

 

Automatic圭!

 

想像力があり、天才、感性、まさに“感性 圭”が蘇ったのだ!

 

全てがOKのテニス。

0(ゼロ)圭 が 0(オー)圭(K)!に変わった!

この試合「苦しんだ」、でも「諦めなかった」、そして「自分を信じた」ことにより、圭トン

ネルを抜けだしたのだ!

 

やっと出たぞ! 抜け出したぞ 圭!

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さあ、次は、世界No.1のアンディ・マレーだ!

 

コンピューターを打っている自分の手から汗が・・・

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興奮と感動の全仏オープン! 

これから、対マレー戦に向け、Automatic 修造