日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2019年12月08日【フィギュアGPファイナル】男子フリー

2019年12月7日(土)に行われたのは注目の男子フリー。

ショート終了後に「今すぐ練習したい」と怒り、悔しさを露わにした羽生さんがどんな演技を見せてくれるのか、首位に立ったネイサン・チェン選手もまたどんな演技を見せてくれるのか…
今朝のフリーの公式練習を見るだけでも心が大きく動かされ、なぜか僕も緊張しながら、と同時に心からワクワクしながら本番を迎えました。

羽生さんはグランプリシリーズ2戦とも同じ構成でしたが、このフリーでは大きく変更。
最高難度の4回転ルッツを加え、4回転を4種類5本に増やした。そして、トリプルアクセルを2回含むコンビネーションジャンプも入れた。今自分が出せる最高のプログラムだ。
ショート後のインタビューで「今自分に何ができるか、何をすべきかを考えたい」と言っていたその答えがこの構成だった。

対するネイサン・チェン選手は、グランプリシリーズ1戦1戦構成を変えて、徐々に難度を上げてきた。そして、このファイナルでもさらに上げてきたのだ。羽生さんと同じ4回転を4種類5本。

まさに、お互いが史上最高のプログラムで臨んだフリーだった。

結果は…
冒頭の4回転ループと4回転ルッツは見事に成功!した羽生さんでしたが、後半のジャンプにミスが出てしまい、最後は決めのポーズができないほど今できるすべてを出し切った羽生さん。
チェン選手は、すべてのジャンプを完璧に決め、世界最高得点を叩き出して優勝を飾った。
羽生さん滑走後のあの大歓声の中、自分の演技に集中し、あの見事な演技をしたチェン選手には「あっぱれ!」という言葉しかありません。

残念ながら3年ぶりの優勝とはならなかったものの、羽生さんの演技後のインタビューでは、もちろん心の底からの悔しさもありましたが、何かすがすがしさ、これからさらに強くなれるワクワク感のようなものを感じられる言葉を聞かせてくれました。

「もう楽しむしかない」
「早く練習がしたい」

羽生さんはやはり上しか見ていない。自分より強い選手がいることで、さらに自分をもっと高いレベルに上げていくことができる。やはり羽生さんは「強い相手と戦って勝つのが好き」な選手なのだ。
そして、今回のショート、フリーともにミスなく完璧に滑り切ることができれば、いったいどんな世界が待っているのか、さらにその先には4回転アクセルの可能性も見えてきた。
そういった意味では、もちろんライバルの存在は大きいですが、これからは他の誰でもない自分自身との戦いでもある。

以前、羽生さんが言っていた「全員が完璧な演技をした中で勝ちたい」と言う言葉。
こんな強い心を持っている羽生さんは、さらに進化した姿を見せてくれるはずです。
それが楽しみでしかありません!