日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2019年07月09日錦織圭選手、昨年に続きウインブルドンベスト8進出!

ウィンブルドン男子シングルス4回戦

錦織圭 6-3,3-6,6-3,6-4 ミハイル・ククシュキン(カザフスタン)

シード勢を破って勢いに乗るククシュキン。低い弾道のショットで圭を苦しめた。我慢して、そして大事なところでは攻撃に!苦労して手に入れた勝利なだけに、次の試合に向けて大きな自信となる試合となった。

2年連続ベスト8、素晴らしいです!

そして次に戦うのが・・・生ける伝説ロジャー・フェデラー

正直なことを言います。可能であれば、ジョコビッチ、ナダルと対戦して欲しかった。

芝のフェデラーは強い!今大会も、誰よりもコートの内側を陣取って横綱テニスを披露している。ただ、今の錦織圭は強いです!

僕は、グランドスラムで錦織圭選手が最初にグランドスラムをとるのは、“ウインブルドンだ!”

そう豪語してきました。

理由としては、錦織選手がグラスコートに対して苦手意識を持ってはいますが、彼のテニスは芝に合っていると感じていたからです。芝はタイミングとリズムが命。フェデラーとともに天才肌の圭のテニスは、芝のリズムがピタッと合った時、他のコートよりもタイミング早く攻撃でき、そしてバラエティーなテニスが表現できる。

今回、夢のグランドスラム初制覇に向けてチャンスがやってきた!だが、その前に、まずはロジャー・フェデラーを破らないといけない。

◆圭、体、フレッシュ!

体力万全。昨年の全米からベスト4、全豪、全仏ベスト8と結果を残しているが、それ以上の壁を破れていない。その一番の理由は“体力”だ。1週目に長時間の試合をこなしてしまったため、体力が残っていなかった。今回は、超フレッシュ圭。最初からすべてを出し尽くしていい!

◆10対10なら勝てない

圭が持っているすべてのテニスができ、それが100点のテニスだったら、この大会、ジョコビッチ、ナダルにも間違いなく勝てると僕は言い切れる。ただ、フェデラーが100点で来た場合は別だ。芝の王者フェデラーに軍配をあげるしかない。ではどうすればいいのか…フェデラーのテニスをさせなければいいのだ。

フェデラーのテニスをさせないためにはどうすればいいのか?

★ファーストサーブの確率

サーブの安定感が芝の生命線。ファーストサーブの確率を、少なくとも60%、そしてポイント獲得率も70%は欲しい。セカンドサーブを攻撃されるパターンになると、ストロークを含め圭のすべてのプレイに狂いが現れてしまうからだ。

★怖くなんかない!

圭自身が最もテニスプレイヤーとして尊敬しているのが、R.フェデラーだ。子供のころからの憧れの選手でもる。ただその思いがこれまでの対戦の中で邪魔をしてきた。最初から「今日の僕は、今までとは違う。あなたをリスペクトしているが怖くない!」そんなメッセージを圭からフェデラーに伝えたい。そのためには序盤から攻撃的なテニスが欲しい。いつも以上にコートの内側に入り、早い展開でプレイをしていく。そうすれば、フェデラーにも狂いがやってくる。

★イレギュラーを気にしない!

2週目の芝を経験している自分だが、芝のコートがクレーコートのようになる箇所がある。綺麗な緑色が茶色になっている場所だ。この場所ではボールがイレギュラーばかりで、正しい弾みをしてくれない。タイミングを大事にする圭にとっては、イライラが募ることに。特に、昨年ジョコビッチとの準々決勝では、バウンドに対して気にしすぎる場面がうかがえた。だからこそ、今回はDon’t Worry , Be Happy で行きましょう!

世界が待ち望む、天才対決。

失礼ながら、フェデラーも人間であり、そして年を重ねている。

こんなチャンスは今後なかなかやってこない!

今、圭が侍になる時だ!  松岡修造

 

 

 

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