日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2014年05月26日くいしん坊!万才 三重編2

一生に一度はお参りに行きたい伊勢神宮。

かつて、このお伊勢参りの案内役として、御師(おんし)と呼ばれる職業がありました。

それは、各地からのお伊勢参りに出発から付き添い、道中の経路や宿の手配など、

今でいう旅行業と旅館業を営んだ神官だそうです。 

今回は、この御師の末裔にあたる丸岡正之さんに伊勢神宮を案内をしていただき、

その後、丸岡さんの生家で料理をごちそうになります。

 

江戸幕府が開かれた頃からこの地にあるという歴史ある建物の中でいただくのは、「伊勢参りの御師料理」。

これは、信州松本からお伊勢参りに来られた方に最初の夕飯として出された料理だそうで、

今から約300年前、庶民の食事が一汁一菜と言われた時代に、

一の膳、二の膳、三の膳の品数は全部で12~15品というんですから、

はるばる遠くから来た方たちにとっては、格別のおもてなしですよね。

 

内容も、「小鯛のやきもの」「つきあわびの煮物」など、豪華すぎるような料理ばかりが並びます。

「鯛の刺身」は、「いりさけ」という、お酒の中に梅干を入れて煮詰めて味を調えたものにつけていただくのですが、鯛がものすごいまろやかになって、梅の香りがふわっとして、鯛本来の味を引き立てる感じがしますね。

ご神饌(神様への供え物)の王様は、あわびだそうで、煮込んだあわびのおいしさはこれまた格別です。

その他にも、「伊勢イカと角こんぶの煮物」「鯛と湯葉の吸物」「鱠魚(なます)」

「イワシのつみれと椎茸の吸物」などなど、その品数の多さには驚かされました。

 

当時、江戸から伊勢までは、歩いて大体11泊か12泊もかかったそうですから、

昔の人にとっては、お伊勢参りは、まさに一生に一度の大イベントだったので、

その中でこのおもてなしがあるというのは、より心に残るでしょうね。

 

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