修造コラム | 松岡修造オフィシャルサイト

日々の思いを本気で伝える! 修造コラム

コラム

コラムのRSS Feedはこちら

【報道ステーション】体操 白井健三選手 史上初のH難度技

時代とともに、どんどん進化している体操の「ゆか」の技。

「2回宙返り 1回ひねり」は通称「月面宙返り」。

「2回宙返り 2回ひねり」になると「新月面宙返り」。

そして、さらにひねりを1回加えた「2回宙返り 3回ひねり」は「リ・ジョンソン」。

そしてそして、足がすべて伸びた状態で行う「伸身2回宙返り 3回ひねり」はというと「シライ3」!

この技を生み出したのは、今回取材させていただいた体操の白井健三選手、19歳。

現在「ゆか」では、150もの技があるのですが、史上初めて最高のH難度に認定されたんです!

「ゆか」で白井さんの名前がつく技は、「シライ/グエン」「シライ2」「シライ3」の3つ。

まだ若いのに、スゴい!!

 

世界を突き放す”進化”を続けている白井選手。今回の取材では、その強さの秘密に迫りました。

白井さんしか、この「シライ3」という大技をできていないということは、他の誰よりも優れた何かがあるはず。

それが何だと思うか伺ってみると、「勇気」との答えが。試合で使う「勇気」。

しかも、白井さんの考えは「普段の練習ではある程度の力しか出ない」ということ。

「試合で考えられないくらいの力が出た時に、いい形が出る」と言うんです。

これには本当に驚きました。

なぜなら、普通は、試合のときに緊張してしまって、練習ではできていることができないと思ってしまうから。

それを、試合の感覚が基本と捉えている白井選手は、本当にスゴいです。。。

 

その強いメンタルを感じさせる言葉が、インタビュー中に他にも聞けました。

それは、「ゆか」の演技に臨む際、こう考えているというんです。

「ゆかの演技をすることは、ごはんを食べる、トイレに行くのとたいして変わらない。自分のためにやることだから、やって当然。なので、たいして緊張もしないし、あまり気持ちの上下がない」と。

恐ろしい19歳です。まだ10代なのに、技も、メンタルも、別次元!

 

ただ、ここまでの域に達することができたのには、あるきっかけがあったそうです。

それは、2014年の世界選手権。

前年、初出場初優勝を果たした白井選手は、連覇を期待されていましたが、僅差で2位に終わりました。

このとき、白井さんは「同じことをやっていたから負けたんだ」と思ったそうです。

「知らないうちに満足していて、同じ内容でも勝てるだろうと思っていた」と。

このときの演技構成は、2013年に優勝したときと同じもので、

失敗しないのが当たり前で、その内容自体に目標を見失っていたという白井選手。

このとき、上の選手だからこそ、もっと突き放すことが、勝つための近道なんだと気付いたそうです。

 

それからの1年間、白井選手が求めたのは、新たな高難度の技の習得。

そして迎えた昨年の世界選手権では、当時最高G難度の大技「リ・ジョンソン」を見事成功させ、

さらに次々と大技を決めて、2年ぶりの世界王者に返り咲きました。

失礼かもしれませんが・・・「負けてよかったですか?」とお聞きすると、

元気よく「本当に負けてよかった!」と返ってきました。

多分2014年も勝っていたら、2015年でどうせ負けていたと。

 

「白井健三」という選手を一言でいうと、どういう性格か伺ってみると、「勝ち好き」という答えが。

初めて聞きました、こんな言葉。

「負けず嫌い」とはよく聞きますが、「自分の満足できる試合の内容なら負けてもいい。負けから教わることもいっぱいあるので、負けが悪いものだとは思わない。ただ勝ちたい欲は人一倍強いですね」という、もう19歳とは思えない言葉の数々。恐れ入りました。。。

 

今回の取材で、19歳の白井選手から、本当に多くのことを学ばせていただきました。

話を聞いて、ある言葉を言いたくて言いたくてしょうがなくなりました。それは・・・

「やっぱり健三!」

僕がお話を聞いた45分の間に、白井選手は、この「やっぱり」という言葉を64回おっしゃったんです。

「やっぱり」という言葉は、今までの経験を基盤として、前に向かっていく、成功させる確信があるから、「やっぱり」と言えると思うんです。

こういう「やっぱり」の使い方ができる白井選手は、間違いなく前に進めている。

19歳でこんなに「やっぱり」使う人はいないな~と。

 

技もメンタルも別次元の白井選手。リオオリンピックが楽しみで仕方ありません!