日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2021年10月22日【世界体操 北九州2021】男子個人総合決勝 0.017差!

10月22日(金)、世界体操男子個人総合の決勝が行われ、橋本大輝選手が銀メダルを獲得しました。

大輝さんにとっては、満足できる結果ではなかったかもしれませんが、金メダルのチョウ・ハクコウ選手(中国)との得点差は、なんと0.017!

最後の最後までハラハラドキドキの試合展開、一試技一試技が息を呑む緊張感に包まれ、息をするのも忘れるほどの素晴らしい戦いでした。

健三さんによると、大輝さんが「もっともっと強くなるな」と感じたシーンがあったそうです。

それは、残念ながら落下してしまった「あん馬」。

落ちた瞬間は本当に悔しそうでしたが、その後の行動が大輝さんらしい!

直前で落下してしまった技をもう一度やり直したんです。

本来であれば、落下した技の後から演技を再開することもできたのですが、「また落ちるかも」というネガティブなイメージが働きやすい中でも、リスクをとって勝負し見事成功。

いかなる状況でも攻めることができるメンタルの強さはアスリートにとって必要な能力の一つです。

そして、僕が純粋に抱いた疑問「なぜチョウ選手が勝ったのか」。

そのポイントの一つとして、健三さんが挙げてくれたのが「鉄棒」。

鉄棒が得意な大輝さんの演技が後ろに控える中、チョウ選手もリスクをとって攻めたというのです。

注目ポイントは、離れ技の際の「ひじ」がきちんと伸びているかどうか。

ひじを伸ばしたままにするには、ギリギリのところでバーをキャッチする必要があるので「高得点のチャンス」と同時に「落下のリスク」もある。

ただ、チョウ選手のひじはまっすぐ伸びていて曲がっていなかったんです。

あの状況で、攻め切ったチョウ選手も素晴らしい!

強力なライバルは、自分がさらなる高みに上がるための動機や力をくれる大事な存在。

今後さらに進化していく大輝さんが見られるかと思うと、来年の世界体操、2023年のパリオリンピックがさらに楽しみになってきました!

そして、今日も健三さんに鉄棒の技を実演していただきました。

目の前で見られる贅沢すぎる2日間!!

健三さん、ありがとうございます!