日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2011年11月09日報道ステーション 羽生結弦選手~16歳の4回転ジャンパー

今回取材させていただいたのは、フィギュアスケートの羽生結弦選手、16歳。

次世代のエースといわれている羽生選手の最大の武器は、なんと言っても「4回転ジャンプ」!

その成功率がすごいんです。

グランプリシリーズ中国大会で、結果は僅差の4位に終わったものの、

ショートとフリー両方で4回転を成功させたのは、羽生選手ただ一人。

しかも、練習での確率はどんどん上がってきていて、

10本のうち8本ぐらいは軽く跳べるというから、何とも頼もしい!

 

ただ、この4回転ジャンプは、大きな苦難を乗り越えて身に付けたものなんです。

それは、仙台にある羽生選手のホームリンクが、今年3月11日に起こった東日本大震災で被災したこと。

羽生選手は、まさに練習中だったそうで、そのときは氷が波打ち、貸靴も全部倒れて、靴も飛んできて、

光景が普通じゃなさ過ぎて、普通が何なのか分からなくなるほどだっと言います。

羽生選手は、4歳のときから通っていた練習場を突然失い、自宅も大きな被害を受け、避難所暮らしに。

そのときは、自分が一人の選手だということを考えている状況ではなくて、

一人の人間として生活しきることが大切だと思っていたそうです。

 

生活するだけで精いっぱい。

スケートを2~3年休まないといけないのかなということも考えたそうですが、

震災から1ヵ月ほど経った4月初めに、神戸で開催された東日本大震災チャリティー演技会に参加する機会があり、そこで、とにかく精一杯滑る、今の自分を伝えるという思いで滑ったという羽生選手。

僕の演技を見て感動して涙を流している人とか、心から拍手をしてくださっている人を見て、

一つ一つの声援が本当にうれしくて、あんなに感動してもらえるスポーツって他にないんじゃないかなと思い、

「再びスケートをやろう」と決意したそうです。

 

その後も、チャリティーショーのオファーが殺到し、半年で、実に60公演に参加。

しかし、羽生選手は、この過密日程を前向きにとらえようと考えたそうです。

ホームリンクを失い、練習環境がないため、公演先のリンクへ早めに入り練習をさせてもらう。

そして、異例のことですが、ショーでの4回転ジャンプにも挑戦。

震災に会い、逆境に立たされながらも、前向きに4回転を磨き続け、

この苦難を乗り越えたからこそ見えてきた4回転ジャンプなんですね。

 

羽生選手が、見据えている未来、夢は、オリンピックで金メダルをとること。

しかも、金メダルはゴールではなくて、そこからがスタートだというから、すごい16歳です。

金メダルが始まりということは、その続き何なのか。

それは、10年後になっても震災の傷はきっと癒えていない。

だからこそ、自分が滑ることで、支援していきたいんだそうです。

10年後の目標、そして自分の考えもしっかりも持っていて、自立している羽生選手。

とても16歳には思えませんでしたね。

これからが本当に楽しみな選手の登場です!

 

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