日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2013年04月10日報道ステーション 瀬戸大也選手~世界一になった18歳

今、競泳の男子がすごいことになっています!

400mの個人メドレーで銅メダルを獲得した萩野公介選手、18歳。

200m平泳ぎの世界記録保持者、山口観弘選手、18歳。

そして、もう一人の18歳、瀬戸大也選手は、世界短水路選手権の400m個人メドレーで金メダル!!

今回は、世界一をつかんだ瀬戸選手を取材させていただきました。

 

まず最初にお聞きしたのは、「世界一の気分は?」

「最高でした」のひと言!

そりゃそうですよね、400m個人メドレーで世界一になったんですから!

 

①バタフライ②背泳ぎ③平泳ぎ④自由形の順に、一人で4つの泳法をこなす個人メドレー。

最も総合力を問われるこの種目で、瀬戸選手が世界一をつかめた理由は何なのか、

その秘密を探るべく瀬戸選手にお伺いすると、瀬戸選手からは意外なキーワードが・・・

「水泳のものまねは得意です」。

モノマネ!?と思いますが、どういうことかというと、言葉とか理屈で技術を磨くというよりも、

いい泳ぎを見てそれをマネて、映像から技術を磨くという感じなんだとか。

そこで、瀬戸選手が目標としたのは、

バタフライでは、マイケル・フェルプス選手、

背泳ぎは、入江陵介選手、

平泳ぎは、北島康介選手と山口観弘選手、

自由形は、イアン・ソープ選手、

と、各種目のトップ選手ばかり。

 

ただ、超一流の泳ぎというのは、誰もが真似できるわけではありません。

そこには、もちろん真似できる理由があり、瀬戸選手の強さがあるんです。

その強さの一つは、「肩のやわらかさ」。

僕も試させていただいたのですが、驚きの一言。

どんな腕のかき方にも対応できる驚異の柔軟性を持っています。

さらには、「水中の鏡」。

中学生のときにお父さんに手作りしてもらったという鏡を、プールの底に敷いて使うんだそうですが、

瀬戸選手によると「鏡を入れて自分の泳ぎを見たい」んだそうです。

それは、泳いでいる最中のフォームを確認しながら、モノマネの完成度がさらに高められるから。

瀬戸選手にとって鏡の存在は、まさに「練習のパートナー」なんですね!

そして、もう一つの強さは、瀬戸選手の「超ポジティブ」な考え方。

幼い頃から、お父さんに「ヤダ、ムリ、ダメなどのマイナス発言はするな」「いいことを口にしろ」と言われていたそうで、その効果もあってか、幼稚園児にして早くもオリンピック金メダルを公言するようなお子さんだったそうです。

「そのお父さんって僕ですか?」って聞いちゃうほど、
僕とよく似てるお父さんに思わず親近感がわいてきました!

 

そんな超ポジティブ少年が衝撃を受けたのが、小学校のときに出会ったという萩野公介選手。

まさに運命の出会いですよね。

瀬戸選手にとって、その当時の萩野選手は雲の上の選手だったそうですが、

「本当にすごいな」と思いながらも、「もちろん勝ちたい」と思っていたと言うから、

やはり、そのポジティブさは半端じゃありません。

その後、瀬戸選手は驚くべき成長を遂げ、萩野選手の「ライバル」にまで急成長!

しかし、昨年4月のロンドンオリンピック選考会でこの両選手が明暗を分けました。

萩野選手が優勝してロンドンオリンピックへの切符をつかんだ反面、

瀬戸選手は3位でオリンピック代表落選。。。

この結果に大きなショックを受け、その後の練習でも立ち直れず、

どんどんマイナス思考になって悪い方向に行くばかりだったそうです。

そんなどん底の瀬戸選手に刺激を与えたのは、やはり萩野選手でした。

ロンドンオリンピック400m個人メドレー決勝でのライバルの活躍を目にしたとき、

「これからライバルとしてやっていく選手が銅メダルを獲って、こんなんじゃダメだ。よしやってやる!」とエンジンがかかったそうです。

それから人が変わったかのように練習を始めた瀬戸選手は、オリンピックから2ヵ月後の岐阜国体の400m個人メドレー決勝で、再び萩野選手と直接対決。

最初のバタフライでリードしたのは瀬戸選手、しかし背泳ぎでは萩野さんが抜き返し、とどちらも譲らないレース展開となる中、ラストの自由形では瀬戸選手が抜き出て、見事優勝!!

切磋琢磨する最高のライバルですよね。

僕が世界を転戦していたときには、同じ日本人のライバルがいなかったので、純粋に心底うらやましい。

世界で戦っていく中で「心強い仲間」、「戦友」なんだそうです。

 

お話を伺っていて、瀬戸選手に感じたのは、やはりその「超ポジティブさ」。

実は、瀬戸選手が、日本人が誰もやっていなかったからといって始めた試みがあるんです。

それは、昨年10月に開催されたワールドカップの第2戦。

まずは、400m個人メドレーで金メダルを獲得!

個人メドレーは4つの泳法をこなすので、レース後はとてつもなく疲れていると思うのですが、

その金メダルを獲ったわずか5分後に、またプールに現れ、

なんと専門外の200mバタフライに出場し・・・ここでも金メダル!!

もう体はヘトヘトだろうと思うのですが、さらにその5分後、また瀬戸選手が現れます。。。

今度は、200m平泳ぎ。そして、なんとここでも金メダルを獲得!

実に、わずか1時間の間に、金メダルを3個も獲得。

そして、約1ヵ月の間に、6大会で22回の表彰台に上がっているんです!

本当に信じられない。

「日本人が誰もやっていないことだからこそやってみたい。

それが絶対個人メドレーにつながっていく」という発想自体が超ポジティブ。

元々「超ポジティブ」人間が、オリンピック代表選考でどん底まで落ち込んだわけですから、

その跳ね返りは、「超超ポジティブ」だったんですね!

 

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見てください。この瀬戸選手の肩のやわらかさ!僕のと比べてみると一目瞭然です。

もちろん僕も真剣にやってます。でもこれが結果です。。。