日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2013年04月11日報道ステーション 浅田真央選手~復活を支えた深い絆

今シーズンのフィギュアスケートも、4月11日から始まる国別対抗戦が最後になります。

浅田真央選手は、今シーズン、6試合戦って5勝と完全復活!

そして、何と言っても真央さんの笑顔が多く見られたのがうれしかったですね。

実は、この笑顔、ある方との深い絆の中で取り戻したものなんだそうです。

 

今シーズン、真央さんがショートプログラムに選んだ曲は「I Got Rhythm(アイ・ガット・リズム)」。

真央さんにどんなところを見てほしいか伺ってみると、ステップの真ん中あたりに出てくる振付けが、

本当に楽しんでできるところだそうで、一番のお気に入りとのこと。

こんなにも元気なプログラムを演じるのは、実に7シーズンぶりだそうです。

 

「アイ・ガット・リズム」は、本当に明るくて元気な曲なので、真央さん自身もとても助けられたんだとか。

その曲を真央さんに授けたのは、振付師のローリー・ニコルさん。

プログラムの曲を選び、それに合わせて振りを付ける振付師さんです。

通常、「選手の個性」や「過去のプログラム」を踏まえて曲を選ぶのですが、

ローリーさんが、昨年5月に真央さんに会ったときに感じた、彼女の心の重さ、そして異変。

一昨年12月に最愛の母をなくし、昨年3月の世界選手権も6位とふるわず、

初めてスケートと向き合えない日々が続いていた真央さんに、

ローリーさんは、「私も母親だけど、もし私が死んでも、子どもには”自分の人生”を楽しんでほしい。

だから、真央さんには明るい曲にしよう」と声をかけたんだそうです。

リンクに行くのがうれしくて、ワクワクするような、そんな曲に。

それは強い絆があるからこそのメッセージだったんだと思います。

そこで選んだ曲が、「アイ・ガット・リズム」。

真央さんが、最初に曲を聞いたときに、「これだ!」というふうに笑顔で目を輝かせたそうです。

 

そして、今シーズン、リンクの上でも笑顔で躍動する真央さん。

さらに、今年2月の四大陸選手権では、トリプルアクセルを解禁し、見事成功!

ショートプログラムでは、今季世界最高の74.49点も叩き出しました!!

 

2005年の「くるみ割り人形」以降、情熱的な振付けや優雅な振付けなど、

本当にいろいろなプログラムを一緒に作り上げてきた二人。

真央さんにとって、ローリー・ニコルさんはどんな存在か伺うと、

自分にとっての「Best Choreographer(最高の振付師)」だそうです。

心の部分で言うと、「試合ではいつも一緒にすべっている人」。

 

来年はいよいよソチオリンピック。

ローリーさんと真央さんは、ショートプログラムでタッグを組むことが決定しているそうです。

ソチでの曲のイメージは何となく決まっているそうで・・・

それは、2006年の「ノクターン」のイメージに似た感じの曲。

今シーズンのイメージとは、またガラッと変えての挑戦になりますね。

今回、真央さんとローリーさんの関係を知るにつれて、

選手が今何をしたいのか、選手の心が今どこにあるのかをしっかり把握できている振付師は、

その選手との信頼関係も厚く、選手自身も氷の上で自分の演技、そして想いを、

より豊かに表現できるのではないかと思いました。

 

真央さんと佐藤コーチとの二人三脚も3年目に入りましたが、今回の話の中で、

佐藤コーチからは、自分のスケートをつかむまでに3年はかかると言われていて、

真央さんは今やっとその意味が分かったそうです。

やっと今、自分のスケートをつかんだ。

リズムをつかんだだけではなく、真央さんは今「アイ・ガット・マイ・スケート」、

自分のスケートもつかめたんだと思います。

ようやくつかめたその自分のスケートを、これからもどんどん表現していってください!