日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2011年11月03日報道ステーション 村上佳菜子選手 シニア2年目「全く逆」の挑戦

今回取材させていただいたのは、去年シニアデビューを果たした村上佳菜子選手。

そのデビューは鮮烈でした。

3回転+3回転の高い技術と元気いっぱいの表現を武器に、

グランプリシリーズ初戦では銅メダル、2戦目ではなんと金メダル、

そしてグランプリファイナルでは、日本人最高の銅メダルを獲得しました。

あれから1年。今年2年目を迎える村上選手の今年のテーマは「全く逆」です!

 

それは今年の新しいプログラムが、昨年の内容と「全く逆」ということ。

昨年の元気いっぱいのプログラムから一転、今年のプログラムに笑顔はなし。

一番表現しようとしているのは、「苦しい」とか「もがいている」という感覚だそうで、

暗闇の中でもがいてもがいて、その中に希望の光を探すイメージなんだとか。

今ままでフィギュアスケートをやっていて、こんなに考えながらストーリーを作って挑戦するというのはなかったそうです。

 

ここで浮かんでくるは、なぜ昨年評価された元気いっぱいの演技ではないのか?という一つの疑問。

佳菜子さんに伺うと、昨年は初めてのシニアだったので、ジュニアの若々しさを出したかった。

ただ、今年はもう少しシニアらしく大人っぽさを表現したくて、

その新たな可能性を探るための道だったそうです。

 

そして「全く逆」の取り組みはもう一つありました。

今年最大の挑戦なんだそうですが、それは佳菜子さんが一番苦手とする「ループジャンプ」の数を増やしたということ。

「80%嫌い」というから、よほど苦手意識があるんだと思いますが、

昨年はできるだけループジャンプを避け、1回だけにとどまりました。

しかし、今年はフリーとショート併せて、なんと3回も挑戦!

 

その理由を伺うと、「嫌いなジャンプに不安を残したままオリンピックに挑戦するのが嫌だから」との力強い答えが返ってきました。

今大切にしていることは、「嫌いなものを好きにしていく」ということ。

それは、嫌いだけどやらないと不安になってしまうから。

そして、「1回も失敗しないようにしたい。ループジャンプのことを分かっちゃいたい!」

という村上選手のこの発想力はすごいなと思いましたね。

例えば、アスリートの方でも一般の方でも、嫌いなものがあった場合、

それをどうにか克服しようとするものだと思いますが、

佳菜子さんの場合は、それを「好き」になるように考える。

嫌いなものが好きになれば、こんなに楽しいものはないだろうなと思いましたね。

 

佳菜子さんが一番成長したと感じたのは、オリンピックに対する考えを伺ったときです。

昨年伺ったときには、「オリンピックという大会はあまりにも大きすぎて私は嫌だ。人と争うのも好きじゃない」と言っていたのですが、今回伺ったときには、ソチオリンピックに「出たい!」だけではなく、「勝ちたい!」というふうに勝ちを見据えた考えに変わっていました。

やはり人の考え方というのは、成長とともに変わっていくものなんですね。

今後の佳菜子さんの活躍を楽しみにしています!

 

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