日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2011年11月30日報道ステーション 川内優輝選手~日本人最速市民ランナー
今回取材させていただいたのは、「市民ランナーの星」と言われている川内優輝さん。
埼玉県立春日部高校の定時制課程の職員として働く24歳の青年です。
走ることを仕事とする実業団の選手ではない、いわゆる市民ランナーの川内さんが、
なぜオリンピックを狙えるところまできたのか、その理由を伺ってきました。
今年2月の東京マラソンでは、見事日本人トップでゴールし、
叩き出したタイムは、なんと2時間8分37秒。
これは2008年の北京オリンピック以降日本人最速のタイムです!
しかし、仕事場には、一切マラソンを持ち込まないという川内さん。
午後12時45分~午後9時すぎまでが勤務時間のため、
練習時間は、午前9時~11時までのわずか2時間だけです。
短い時間の中で、いったいどんな練習をしているのか、
僕も練習に同行させていただいたのですが、
川内さん、通常のコースを走らないんです。。。
コースを外れて、走るのは草木の生えている道。
じっくり走り込むこと2時間、距離にして20キロ!
木の枝とかにも当たるのに、なぜあそこを走るのか、、、
それは、平地じゃないところを走るとバランスを崩すけれど、立て直したりできるので、
普通のところを走るよりもいいトレーニングができるからだそうです。
さらに、仕事が忙しくて朝の練習ができないときは、自宅から職場までの20キロを走って通勤することも。
十分な練習時間がとれるのは休日だけで、公園を30キロ~40キロ走り込み!
川内さんの1ヵ月の走行距離は600キロですが、1000キロ以上が当たり前の実業団の選手に比べると、
半分程度です。
では練習量の少なさをどう補うのかというと、そこには常識破りの練習法がありました!
それは、レース、レース、レース、とにかくレースにたくさん出場すること。
3週間に1度のペースでレースに出場し、今年出場した数は、今現在でなんと20レース。
一般的な実業団選手の実に3倍の数です!
川内さんによると、レースに出ればレース展開もありますし、自分が練習では出せないペースでも走れる。
練習は1人なので、レースの力を借りてやっているんだとか。
川内さんの最大の武器は、全力のラストスパート。
そこで力を振り絞るため、ゴール後に倒れ込む川内さんの姿を何度も見たことがあるかもしれません。
何であそこまで自分を追い込んでやりきるのか、、、
そこにはやはり「負けたくない」という気持ちがあるそうです。
だからいつも全力!
今やロンドン五輪代表を狙えるまでに成長した川内さんですが、
川内さんの中でオリンピックが第一目標なのか伺ってみると、
「そうでもないんです」という驚きの答えが。
「オリンピックは周りが期待してくれるから、狙わなきゃいけないんですけど、
目標は昔から生涯現役で日本全国市民マラソン巡り!」とのこと。
オリンピックよりも、市民マラソン巡りの方が上ってことですかー!
信じられません。
しかもインタビューの間、一度も僕の目から視線をそらさない!
川内さんはマラソンだけじゃなく、すべてにおいて全力投球する方なんだと思いましたね。
インタビューを受けるのも、牛乳を飲むのも、電話を取るのも、すべて全力!
川内さんがロンドンオリンピックで全力で走っている姿をますます見たくなりました。