日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2011年10月20日報道ステーション 室伏広治選手~年齢の壁を越えた金メダル理論~

今回取材させていただいたのは、先日の世界陸上で見事金メダルを獲得したハンマー投げの室伏広治選手。

 

アスリートにとって、常に立ちはだかる大きな壁は「年齢を重ねると共に訪れる衰え」。

しかし、室伏さんは、今年8月の世界陸上選手権で、36歳と325日で大会史上男子最年長優勝を飾りました。

室伏さんは、いったい、いかにして年齢の壁を乗り越え、世界のトップに立てるのか。

その秘密をぜひお伺いしたくて、室伏さんの研究所をたずねました。

実は室伏さん、今年4月から、中京大学スポーツ科学部の准教授に就任されたんです。

現役選手でありながら、学者の観点からもスポーツを研究しているというアスリートの方は珍しいですよね。

僕が取材をさせていただくときは、普通僕がお話をお伺いして答えていただくという形なのですが、今回僕は、完全に生徒でしたね。

 

まずお伺いしたのは、室伏さんがどういう風に年齢的な衰えをカバーしたり、どういう考えを持たれているのかということ。

それには、3つポイントがあるんだそうで、そのうちの2つ、

1.解剖学的身体(筋・骨格系)と 2.機能(関節の可動性)は、

どうしても年齢とともにどんどん落ちてきてしまうもの。

しかし、年齢を重ねても伸ばせる可能性がある部分があるんだそうです!

それが、3.ムーブメント(脳・中枢神経系)。

脳から正しい指令を正しい筋肉に伝えて、身体をうまく動かすことだそうです。

2004年のアテネで見事金メダルを獲得した後、身体が変わってきたという室伏さん。

「同じように何でできないんだろう?」「ケガをしやすい身体になったな」と思い始めたのが、研究を始めるきっかけになったそうです。

 

また、室伏さんのお話で興味深かったのが、反復運動に関する室伏さん流の理論。

「反復運動は繰り返せば繰り返すほど強くなる?」との室伏さんからの質問。

僕は「それが一番だと思っているのですが」とお答しましたが、

そこには室伏さんならではの落とし穴があるといいます。

それは、反復運動は、最初のうちは、慎重にいろいろと動いたりするのですが、

慣れてくると勝手にできるようになってくるんですけど、

運動が微妙に狂ってきていることに気付かないということ。

そして、その微妙に狂った運動を繰り返しているうちに、

関節が摩耗したりするような動きになって、ケガつながるんだそうです。

そこで大事なのが、いかに自分の身体が反復運動だと感じないように、慣れさせないようにして、

脳の指令が正しく伝わるように、頭を使った練習をしていくことだとか。

ウエイトトレーニングは、重さと量からすれば、過去と比べて5分の1くらいなんだそうですよ。

衰えていく身体になるべく負担をかけず、脳に正しい筋肉を使うように覚えさせ、最大限の力を発揮する。

そして、その室伏理論は、今年の世界選手権で見事に実証されました!

 

室伏さんは、間違いなく世界の中で一番自分の身体を知っているアスリートだと思いましたね。

でも、いろいろお話を伺っていると、これが将来のアスリートのあるべき姿なんだと思いました。

それに、僕が驚いたのは、室伏さんがロンドンオリンピックで目指しているのは、金メダルよりももっと先だということ。

自分の研究した理論を次世代に伝えたい。

これを伝えないと日本の損失だとおっしゃっていました。

現役選手は普通こういうことは考えないというか、ここまで考える余裕がないと思いましたが、

「現役だから、説得力あるんですよね」という室伏さんの力強い言葉が印象的でした。

 

もちろん、来年のロンドンオリンピックでも、室伏理論は実証されることでしょう。

今から楽しみで仕方ありません。

室伏先生、よろしくお願いいたします!

 

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室伏准教授による授業は、アスリートとしても、参考や気付きになることがたくさんありました!