日々の思いを本気で伝える!修造コラム
2012年02月15日報道ステーション 杉原輝雄さん~生涯現役を貫いたゴルフ人生
2011年12月28日、74歳でこの世を去った杉原輝雄さん。
60歳のとき以来がんと闘いながら、それでも現役として試合に出続けることにこだわってこられました。
杉原さんの通算成績は63勝。ジャンボ尾崎さんこと尾崎将司さん、青木功さんに次いで史上3位の成績です。
2006年、僕は杉原さんを取材させていただいたことがあります。
当時69歳だった杉原さんの闘病生活はすでに9年目を迎えられていました。
前立腺がんと分かっても、杉原さんは試合に出続けたいと手術を拒否し、
体力の衰えを食い止めるため、最先端の加圧トレーニングを行っていました。
ここまでして生涯現役にこだわり続けた杉原さんは、
いったいどんなゴルフ人生を駆け抜けてきたのでしょうか。
大阪府茨木市に生まれ、小学5年生のときに、近所のゴルフ場でバッグ担ぎのアルバイトを始め、
働きながら腕を磨き、20歳のときにプロに転向。
身長160センチの小柄な体ながら、正確なアプローチとパットを武器に6年目には初優勝されました。
ところが、杉原さんの前に現れたのが10歳年下のジャンボ尾崎さん。
身長181センチ、飛距離は段違いですが、杉原さんの反骨心に火がつきました。
「打倒 ジャンボ尾崎」と練習を積み重ね、執念深さから、ついたあだ名は「マムシ」です。
今回は、杉原さんと数多くの名勝負を繰り広げられたジャンボ尾崎さんに、杉原さんについてお伺いしました。
尾崎さんは、「あの人くらい気力のある人は見たことがない。瞬間的な気力がある人は多いけど、持続していく気力は杉原さんがナンバー1」とおっしゃっていました。
「執念がすごかった」と。
杉原さんのゴルフへの執念は、がんを患ってからも衰えることはなかったと言います。
それは近年の成績を見ても一目瞭然です。
68歳10ヵ月で、世界最年長の予選通過。
70歳以降、年齢以下のスコア「エージシュート」を6回達成。
そして、72歳のとき、中日クラウンズで同一大会に51連続出場を達成し、アーノルド・パーマーの持つ世界記録を更新、などなど。
尾崎さんは「最後の最後まで戦うという自分のスタイルを通そうとしたとうのは杉原さんらしい。勝負師。武士だね。杉原さんの生き方を継いでいくよ。人生を懸けたゴルフ、現役に懸けた姿を」ともおっしゃっていました。
僕が前回取材させていただいたときに、杉原さんに言われた「絶対に感謝することを忘れるな。笑顔を絶やしちゃいけない」という言葉を思い出しましたね。
以前石川遼さんにお話しを伺った際にも、遼さんが15歳で初優勝したときに、
朝一番に練習に行ったら、杉原さんがすでに練習していた姿を見て感動したんだそうです。
そういう思いもしっかり受け継いでいきたいと。
杉原さん、安心してください。
杉原さんの精神は、確実に後ろの世代に受け継がれています。