日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2012年02月08日報道ステーション 錦織圭vsビッグ4~4大大会優勝の現実味

全豪オープンベスト8という快挙から、「グランドスラム優勝」という期待がかかる錦織圭選手、22歳

今回は、その錦織選手を取材させていただき、本人はこの手応えをどこまで感じているのか伺ってきました。

 

圭に、「ベスト8おめでとうと言った方がいいですか?」と聞いてみると、

「おめでとうはまだいらないですね」との答えが返ってきました。

「ベスト8は、ある意味当然じゃないですけど、そう思えるようになってきている。」

圭は、トップにいく現実味を本音で語ってくれました。

 

テニス界の最高峰、4大大会とは「全豪オープン」「全仏オープン」「ウィンブルドン」「全米オープン」のこと。

グランドスラムとも呼ばれるこの大会は、いずれも100年以上の歴史を誇り、

優勝賞金は1億円以上にもなります。

128名のトップ選手が世界中から集い、最後の1人になるには2週間で7試合も勝ち抜かなくてはなりません。

しかも、4大大会は、5セットマッチ。

普段のツアーの3セットマッチとは違い、選手の疲労度も桁違いです。

 

この4大大会で、圭が優勝するには何が必要なのか。

その最終地点を思い浮かべると、やはりどうしてもあの4人を倒さないといけないという思いがあるそうです。

その4人とは、今のテニス界で突出した実力を誇り、常に上位に君臨しているジョコビッチ、ナダル、フェデラー、マレーのビッグ4。

今、圭自身、このビッグ4との距離をいったいどのくらいに感じているのでしょうか。

 

まずは、世界ランキング4位、アンディ・マレー、イギリス、24歳。

マレーの持ち味は、多彩なショット。

その引きだしの多さで駆け引きをして、相手を崩します。

今回の全豪オープンで圭が敗れた相手ですが、圭によると、

「マレーが一番悩まされるというか、自分に近いプレースタイルで、

どのショットも自分より一歩上にいっていると思うので、

あと一歩うまくディフェンスをしっかりしのげるか、球が深くいくか、

1つ1つのショットの精度が増してこないといけない」とのこと。

でも、マレーには、あと一歩で追いつくんです。

さあ、その一歩をつめていこう!

 

次は、世界ランキング3位、ロジャー・フェデラー、スイス、30歳。

4大大会で、史上最多の16回優勝を飾っている選手です。

圭にとって一番存在の大きい選手が、このフェデラーだそうで、

初対戦したときの衝撃がいまだに忘れられないんだとか。

その衝撃とは、「自分に考える隙もなく、一球も遊ばせてくれない、

自分の得意なラリー戦にも持ち込めなかった」ということ。

フェデラーに対しては、「あのはやい攻めをどうにか切り返して、フェデラーに余裕を持たせないように、

もっとバックに深くきわどいショットを打つことが必要」と考えているそうです。

 

次は、世界ランキング2位、ラファエル・ナダル、スペイン、25歳。

ナダルといえば、コート上を走り回り、どんなボールでも拾いまくる無尽蔵のスタミナを持っています。

そして、史上最強のフェデラーにも、18勝9敗と圧倒的な強さで勝ち越しているナダル。

しかし、圭からは「一番勝つ可能性があると思う」という心強い答えが返ってきました!

作戦がだいたい頭に浮かびあがっていて、自分の得意なパターンに入っていける可能性が高いということなので、ナダルとの対戦が楽しみですね。

 

残るは、世界ランキング1位、ノバク・ジョコビッチ、セルビア、24歳。

現在、4大大会3連勝中のジョコビッチ。

鋼のような肉体から繰り出す強烈なショットと精神力、巧みなテクニックは本当にすごい。

でも、去年の11月、錦織選手はこのジョコビッチ選手に勝っているんです!

もちろん、今後も勝つ可能性は十分にあります。

 

今回の全豪オープンでも、この4人が大きな壁だと思ったという圭ですが、彼らからやる気ももらっているはず。

上位に行けばいくほど、トップクラスの選手との対戦が増え、その経験が今後の自分につながっていく。

圭には、もっともっと上にいってほしいですね。

 

12歳の圭の卒業文集に描かれた夢は「世界チャンピオンになること」。

今や「世界チャンピオン」が現実味を帯びてきていますが、

今回、話を伺っているとき、僕は震えが止まらなかったんです。

圭がこんなすごいところまで来たというのが実感できて、

こんなにうれしいインタビューはなかったですね。

 

圭は、ビッグ4に対して、4大大会以外であれば、今年も勝つチャンスがあると思います。

ビッグ4が一段とギアを上げて本気になる4大大会で勝てるかどうか、というところですね。

なぜなら、ビッグ4は4大大会にすべてを集中してきます。

その4大大会で勝つためにテニスをしていると言っても過言ではないほど。

でも、圭もその4大大会での勝利を狙える選手にまで成長したんだ、

世界で限られた立場の選手にまでなったと確信しました。

 

こんなすごい選手が日本に出てくるとは、以前は思わなかっただけに、本当にうれしい。

夢をただ見ているのではなく、しっかりつかみにいっている圭を、これからも心から応援します!