日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2012年03月01日報道ステーション 川内優輝選手~マラソン界を変える存在

多くの方が注目している公務員ランナー、川内優輝選手。

先日開催された東京マラソンでは、残念な結果に終わりましたが、

翌日の川内さんは、、、けじめの丸坊主姿に。その姿は衝撃的でした。

 

僕は、1月に取材させていただいたときに、ストレートに伺いました。

昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップといういい結果を出したんだから、

東京は走らない方がいいんじゃないですか?って。

ただ、川内さんには東京で走らないといけない熱い思いがあったんです。

 

ロンドンオリンピックの最有力候補として出場した東京マラソンでしたが、序盤の5キロと10キロ地点で、マラソンの生命線でもある、オリジナルのスペシャルドリンクの給水に失敗するという致命的なミスをしてしまい、

結果は、自己ベストよりも4分以上も遅い2時間12分51秒。14位と惨敗しました。

 

そもそも川内さんの挑戦には無謀という声もありました。

日本人トップとなった福岡から東京までわずか2ヵ月という短期間でのマラソン出場。

しかも、東京で成績が悪ければ、福岡の実績が台無しになるというリスクがあります。

にもかかわらず、東京マラソン出場へ踏み切ったのはなぜか。

 

僕は、「どうしてもオリンピックに行きたいと思っている選手であれば、東京は出ないと思います」と川内さんに言ったんです。

すると、「オリンピックがどうこうというよりも、世界の中で日本人がどこまで行けるかということが問題だと思っているので、強い人がオリンピックに行くべき。自分が強くなれなければ行かなくていい」との答えが。

 

川内さんが意識してきたのは、オリンピック代表の選考をどうくぐり抜けるかより、その先世界でどう戦うのかということなんですね。

世界のスピードはどんどん上がっているのに、日本人だけ停滞しているのは良くない。

そこに風穴を開けたい、というのが川内さんの思いなんです。

そして、川内さんは世界と戦うために目標としているタイムは、2時間7分台。

だからこそ、川内さんは、日本人トップだった福岡国際マラソンの結果で代表選考を待つという選択肢を捨て、

東京マラソンに出場して2時間7分台を狙うという自分により高いハードルを課したんです。

僕自身だけではできなかったことでも、それを見てキッカケを掴んで発想の転換をし、

日本人が強くなればそれほどうれしいことはないと。

 

僕は、今回の川内さんの挑戦というのは心からうれしいと思いましたね。

昨年10月に初めてお会いした際に、オリンピックの話をしたんですが、

そのとき、ご自身は市民マラソンめぐりをしたいということで、自分に対して全力を注いでいたんですね。

でも話していて、すごい情熱でしたから、川内さんの情熱がまわりのために、オリンピックのためにとなってきたらスゴイことが起こる、僕はそうなってほしいと思っていました。

そして、この数ヵ月で変わったんです、男子マラソン界というものも変えたような気がしますね。

 

ロンドンオリンピックのマラソン代表が発表されるのは、3月12日(月)。

川内さんは、自分で選考してしまっているような感もありますが、

僕は、ぜひロンドンオリンピックで、川内さんの走りが見たいです!