日々の思いを本気で伝える!修造コラム

2012年03月23日報道ステーション 寺本明日香選手~団地の鉄棒から世界へ

ロンドンオリンピックまであと4ヵ月。

昨年10月の体操の世界選手権女子団体で、日本女子はロンドンオリンピック出場を決定!

そんな中、女子体操界に楽しみな選手が出てきました。

それは、五輪出場権獲得に貢献した寺本明日香選手、16歳。

 

寺本さんは、現在愛知県名古屋市の市邨(いちむら)高校2年生。

小柄な選手が多い日本代表選手の中でも、最も背の低い寺本さんの身長は139cm!

しかし、この「小ささ」こそが体操では武器になるんだとか。

例えば、段違い平行棒のバーの間隔は180cmあるそうですが、

通常、選手が回転するときは、もう一方のバーに足が当たらないように、開きながら回るのに対し、

寺本さんの場合は、手と足を目いっぱい伸ばしてもバーには当たりません。

その特長を最も生かせるのが、「ギンガー」という技。

一般的なギンガーでは、2本のバーの外側で体を回転させているのに対して、

寺本さんのギンガーは、足が当たらないため、2本のバーの内側で回転できるんです!

得点は変わらないそうですが、審判へのアピール度が違うといいます。

小さいことが有利になる点は、平均台にもありました。

平均台の幅はわずか10cmなのですが、21cmの小さな足の寺本さんだと、

平均台のそのわずかな幅でも足の両側にまだ余裕があるんです。

小さいからこそ得られる「安定感」ですよね。

 

そんな寺本さんが体操を始めるきっかけになったのが団地の鉄棒。

物心ついた頃から鉄棒少女だった寺本さんは、幼稚園の年長のときにすでに逆上がりをマスター!

小学校にあがるとさらにいろいろな技を覚え、

他にもっと技を覚えたいと体操クラブに通うことになったそうです。

体操を始めてすぐに、寺本さんの心をつかんだのが「蹴上がり」という技。

「蹴上がり」とは、足を前に出しながら、その反動で鉄棒の上に上がる技術で、

体操の鉄棒においては、基礎中の基礎となる技です。

簡単そうに見えますが、実は、コーチの指導のもと、

何度も血豆をつぶしながら練習をして初めて身に付けられるものだそうです。

しかし、寺本さんは、「蹴上がり」をコーチから教わる前にマスターしようと、

公園の鉄棒に通い、独学で練習を開始!

その練習はなんと1年も続いたそうですが、ついに「蹴上がり」をマスター!

寺本さんはほんとに完璧主義なんですね。

「完璧にこなさないと、自己満足できる範囲でこなさないとモヤモヤするから嫌だ」と言うんですから、何とも頼もしい。

 

ロンドンオリンピックの代表選手は、4月5月に開催される選考会で選出されるそうですが、

寺本さんに話を伺っていて、とてもしっかりしているというか、

自分自身をしっかり持っている方だなぁと思いました。

取材後、車で一緒に帰らせていただいたときに驚いたのですが、

家までのわずか10分の移動の間に車の中でお弁当を食べるんです!

普通なら、家に着いてから、ゆっくりあたたかいごはんを食べた方がいいと思うのですが、

運動後、すぐに食べた方がより栄養を吸収するし、

寝る前に食べると太ってしまうからというのが理由とのこと。

本当に自分で自分のことをしっかり管理できる選手なんだなと思いましたね。

 

小柄な体ですが、実に頼もしい寺本さん!

寺本さんがロンドンに選ばれ、その小さな体で会場を圧倒させるような演技が見られるように応援しています!!

 

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寺本さんが体操を始めるきっかけになった団地の鉄棒(左)

寺本さんの低い身長を存分に生かせる段違い平行棒(右)